パチンコ依存症は真の病気です。筆者は数年間この病に侵されていました。
なったからこそわかる、依存症の辛さを知っているつもりです。
それ故に就職するときは結構苦労しました。就職や転職するというのは人生の大きな岐路です。
そんなとき、頭によぎったのが「パチンコ依存症になって穴が開いた数年間はどう説明すればよいのだろう?」ということでした。
そして、自分が企業側だったら雇いたくないなと思ったので、どう説明するかがとても大事だと感じました。
同じように病歴を持つ求職者にとっての就職や転職はどういった影響を与えるのでしょうか?
病気を抱える人が仕事を求める場合、どのように対処するべきか、筆者の経験談を一例として参考にして頂ければと思います。
やむを得ない理由によって体調を崩したり、病気やケガになったりしてしまったら、
・病歴がどのような影響を与えるか
・病歴の申告義務はあるのか
・病歴を聞いて企業はどう思うか
を把握していきましょう。
◆パチンコ依存症とは?その辛さをみなさんも知ってほしい
まず、具体的な転職活動のアドバイスに行く前に、みなさんに知っておいてほしいことがあります。
パチンコ依存症について、みなさんはご存知でしょうか?
「ギャンブルが好きな人なんでしょ?身から出た錆じゃない」
「パチンコスロットに夢中になってるサルでしょ?」
そういう心無いことをいろんな人にいわれました。
でも実は、わかってほしいことがあるのです。
元経験者がいうと説得力に欠けるのも承知ですし、その事実が常識として浸透していないのが非常に残念ですが、パチンコ依存症は病気です。
(⇒パチンコ依存症は甘え?病気?現代社会は依存症の宝庫だった!)
なったことしかわからない辛さがあり、依存性も非常に高いのです。
パチンコ依存症はギャンブル依存症と違うといわれています。
どういった点が違うかというと、パチンコは依存しやすい点を網羅しています。
具体的には
・カジノなどとは違い、非常に身近にあり行きやすく便利な場所で営業している
・競馬・競輪などの民営ギャンブルなどとは違い、行こう思えば毎日行ける
・少額から賭けやすく、勝つと現金が手に入ることで金銭感覚が狂いやすい
などです。
⇒パチスロのが危険!?ギャンブル依存症とパチンコ依存症の違い
そして、パチンコ依存症は脳を変形させます。
脳を変えてしまうという点は他の依存症も同じで、依存症患者は依存する前と後では脳が別物になっているのです。
専門家による名言で、「一度嗜癖によってたくあんになった脳は、二度と大根には戻らない」
といわれている程、強烈な変化をさせます。
⇒【まとめ】すべては脳次第。パチンコ依存症がもたらす脳への影響4選
◆病気のことを、様々な視点からみてみる
人が持つべきだといわれている3つの目があります。
それは、
・鳥の目
・虫の目
・魚の目
です。
これは転職するときだけでなく普段も意識しておきたいところですね。
鳥の目で全体を把握し、虫の目で細かい視点を持ち、魚の目で流れを把握する、といった感じで使われます。
そんな風に、企業側と求職者の視点の違いを把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
転職市場は求職者からの目線、採用市場は企業からの目線からしか把握できません。
どちらも把握し、良い塩梅を見つけるというのは立派な採用されるための戦略になります。
鳥の目で転職市場全体を見て、虫の目で面接時や採用試験のときを想定し、魚の目で病歴を申告したときにどういう対応になるのか先を見据えて考える、というのを頭に入れておきながら、話を進めていきます。
◆転職活動における病歴の定義
誰もが一度は風邪などの病気をすることはあるでしょう。風邪程度という表現がどうかは別にして、今回のテーマの「病歴や病気」と比較すると明らかに軽度です。
風邪で会社を休んでも病歴にはなりません。しかし、これから説明するのは書面に残る明らかな「病歴」です。
では、「病歴」とは具体的にどのようなことを言うのでしょうか?
まず病歴の定義から考えていきたいと思います。
転職活動をしていると、面接などで健康状態を確認されたり、書面で病歴を確認されることがあります。
この場合においての病歴の定義は、病気をしたことによって今後の生活が脅かされたり、これからの仕事に支障が出てくるかが基準になります。
例えば、足を骨折してしまった影響で、歩行が困難になったとすると、生活や仕事をこれまで通りには過ごせなくなってしまいます。そうなると、転職活動においては病歴になります。
骨折をして一時的に歩行が困難になっても、完治すればそれまで通りの日常を送れるため病歴にはなりません。
一方、ケガは見た目でわかりますが身体的・精神的な病気の場合は見た目で判断することが出来ないこともあります。中には本人も自覚していなかったり、完治しているか把握していない場合もあります。これにおいて転職活動は、治療や完治していたとしてもいなかったとしても、後遺症があり生活や仕事に影響を与えている場合は病歴になるとしています。
例えばパチンコ依存症の場合は、過去にパチンコ依存症であっても、生活に支障をきたしていなければ病歴にはなりません。重症化していると生活に支障をきたしていることがほとんどですが・・・現在の状況を客観視する、もしくは客観視してもらって後遺症の有無を確認しましょう。
◆病歴はどこまで言う?
では、どこまで自らの病歴を伝えるべきなのでしょうか?
それぞれの立場からみて伝えるべきかを判断するのが最善です。
◇求職者⇒転職エージェント
転職エージェントとは、求職者に合った仕事を探してくれるサービスです。
転職エージェントの立場を考えると、転職を円滑に進めるためにも伝えておいたほうが良いでしょう。
企業によっては病歴が合否に影響することもあるので、病歴を伝えることで不利になるのは求職者のみなさんです。
一方、伝えておかなければ入社後に企業側に迷惑がかかってしまうことが考えられます。そうすると、今後の仕事にも影響が出てしまいかねませんので、事前に病歴を伝えておくのが社会人としては常識の範囲かもしれません。
転職エージェントを利用しての転職をする場合は、病歴を聞かれたときには嘘をつかないようにしましょう。多くの場合、転職エージェントから求職者の方に病歴を聞くことは稀なので、自ら病歴を伝える必要はないかもしれません。
◇病歴を申告した場合の影響力
自ら病歴を申告する場面は少ないかもしれないとは言え、健康状態に関するQ&Aなどがあればすぐに知られてしまう可能性もあるでしょう。
特に健康に関する事業を行っている企業は事前にアンケートを行う可能性が高いので、病歴の申告後は企業に判断が委ねられるでしょう。
病歴があって現在治療、完治していれば支障がない、もしくはマイナス評価となって選考の見送りをされる場合もあります。
転職後に問題なく就業できる証明として、病院や医師からの完治証明書を提出するよう言われることも多いので、証明できるものがあれば準備しておくと良いでしょう。
中には病歴を確認した時点で選考を見送りにする企業もありますが、多くの場合は病歴が一発アウトとして扱われてはいないように思います。
過去の病気を知った上で、現在の状況をみて今後に支障がないと証明できれば考慮する企業が増えています。また証明書の代わりとして現職などで健康診断を受けた際の健康結果の提出を求める場合もあります。中には個別で健康診断を受診するよう依頼する企業もあり、対応はそれぞれと言わざるを得ません。
◆まとめ│病歴が発覚する可能性は低いが、嘘はダメ
日本は個人情報保護法が厳しくなり、当人以外が個人情報を取得、公開するには当人の同意を得ることが義務付けられています。
病歴は個人情報の中でも重要情報の一つで、企業が求職者の同意なしに調べることはできません。仕事に支障をきたしていれば調べる方法はありますが、ほとんどの場合、普通に仕事ができている人に関してわざわざ時間とお金をかけて調べるようなことはしません。
またバレないからといって、病歴を隠すために職務経歴書に「休職期間はなかった」「病歴はなかった」等事実とは異なる虚偽の申告はしてはいけません。
病気やケガをして休職期間があると、職務経歴書の提出が必須になります。その際に求職理由についても記載しなくてはなりません。
虚偽の申告をすると、休職期間はあるが理由がないといった矛盾した状態になってしまい、結果として相手にバレてしまいますし、それはあなたの信用を落としてしまいます。
バレる可能性は低いですが、休職期間があるなどの場合には正直に記載して、今の健康状態を証明するのが最善策です。聞かれていない場合は自ら答える必要はないですが、休職期間を持った場合は聞かれていなくても事実を記載するようにしてください。
病歴はあなたの経歴の一つです。病歴があるから転職できないですとかではありませんので、これまでの業務経験スキル、能力、人間性を中心に伝えていきましょう。
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